先生、、
同窓会にて。
小学校の担任との再会。2次会も終わり、人数を減らして次の店へ。テーブル席で盛り上がるクラスメート達を横目に見ながら、バーのカウンターに並んで、先生と二人で酒を飲む。こんな日が来るなんて、あの頃は想像もしなかったな。
子どもの頃、あんなに大きく見えた先生の背中は、なんだか意外に小さくて。白髪の増えたその頭。こんなに先生の手、しわくちゃだったっけ。そこに過ぎ去った年月の長さを感じる。今だから言えることがある。そう、あの頃言えなかったこと、そして、今だから分かることがあるのだ。
「先生、俺、先生のこと嫌いでした。だけど、だけど、先生、、」
「ちょっと、待て!!俺はもっとお前のことが嫌いだった。」
「えっ?」
「そうさ。俺はお前が嫌いだった。お前のすべて、その存在の全てを憎んでいたのさ。30年以上、教師という職業を続けてきたけれど、俺の教え子の中でお前程に憎んだ奴はいない。その顔を見る度、その声を聞く度に、なんだか無性にイラついた。学校に来なければいいのにって、いつも職員室で思っていた。なのに毎日休みもせずに、遅刻もせずにやってくるお前が無性に疎ましかった。そうさ、だからやってやったのさ。
お前の机に腐ったコッペパン入れたの、先生だ。あだ名がゴミコッペになったよな。それから、下駄箱に画鋲をいれたのも、先生だ。お前の上履きに牛乳かけて臭くしたのも、水着をゴミ箱に捨てたのも、クラスの人気者ミキの笛をお前のランドセルに入れて、笛泥棒の汚名をきせたのも、すべて先生だ。そして、そしてな、今だから言うけど、今でも充分大嫌いだぞ!!お前は、腐ったミカンだあ!!」
「、、、ええ、、、、」
そんな同窓会、見てみたい。
隣の席からそっと見てみたいと思う。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

